―自民党政権時代、少子化が進み続けたのはなぜでしょうか? 野田 少子化って、今も日本の中心的な課題ではないですよね。言葉は頻繁に出るけれど、 少子化担当大臣が単独で権限を持っているかというとそうではない。国会で、子ども手当の いやらしさについての議論はあっても、少子化全般への議論をしているわけではない。 ― この問題は、世代間の価値観の差も激しいですね。 私なんか、上の世代の価値観を押し付けられる政党にいるので、死にそうですよ(笑)。 この国はずっと、自分の子どもは自分の家で育てろという価値観でした。何より、子どもには 票がないけれど、高齢者には票がある。社会保障費で、これまで高齢者に使ってきたお金と 子どもに使ってきたお金を見てください。あまりに違う。少子化対策なんてしていないに等しい。 子ども手当は、政権交代の導火線の1つでした。過去10年、自民党は若年対策をしていなかったし、 子どもを産みたい人に対するエールもなかった。政権交代は仕方がない。 自民党が与党のままだったら少子化対策は破綻していたから、民主党のお手並み拝見です。 本気で少子化対策をするには自民党は本当に邪魔な政党でした(笑)。自民党の根本思想は、 「(少子化は)女性のせいだ」というものです。 ― 「少子化は女性のせい」意識は、日本の意思決定層の年代に蔓延していませんか。 政治だけでなく、経済界すべての業界に及んでいます。でも長寿国家ですから、その人たちが いなくなるのを待っていられません。待っていたら、子どもがますますいなくなる。 だから今どうにか頑張らなくてはいけない。 まずは民主党に、夫婦別姓が実現出来るかどうかです。子ども手当では子どもは増えないでしょう。 高学歴・高所得の女性から生まれにくいのが日本の特徴で、そこが一番の問題点なのに改善されない。 フランスでは子ども手当をあげたら子どもが増えた、と鳩山総理は言っているけれど、フランスでは その前に結婚制度も変えた。子どもを作るのに結婚ありきではなくなり、恋人でも同棲でも嫡出子としての 権利を与えるので圧倒的に増えた。 (>>2-10につづく) ※前:
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