バンクーバー冬季五輪スノーボード男子ハーフパイプ(17日=日本時間18日、サイプレスマウンテン) “腰パン騒動”に端を発した男子ハーフパイプの国母和宏(21)=東海大=の言動は、さらなる波紋を広げた。 日本から応援に駆けつけた国母の両親や妻は、周囲に何度も頭を下げ、謝罪の言葉を口にするなど、 痛々しい様子。「父母参観」と表現して駆けつけた日本選手団・橋本聖子団長(45)は 「精いっぱいやってくれた」とねぎらいながらも、今後処分などについて日本スキー連盟(SAJ)と話し合いを持つ方針だ。 耳をつんざく歓声の中、深いため息がもれた。国母の妻・智恵さん(24)らと一緒に、「KAZU」と書いたうちわを手に 競技を見守った父・芳計(よしかず)さん(51)は、息子の演技を見届けると、目頭を押さえた。 「(応援に来るのは)迷いました。でも、これが最後だと思って。(息子)本人がやったことですが、 (家族)みんな精神的に苦しかった。次の五輪は無理でしょう。いろんな方の意見を聞く限り、その資格はありません」 あえて非情に、息子に五輪引退を勧告した。9日、成田出発時の公式服装の乱れに端を発した“腰パン問題”。 日本中の注目を集め、多くの批判と怒りを買った。五輪という晴れ舞台を見終えた今、芳計さんは息子に男のけじめを求めた。 二人三脚で来た競技人生だった。芳計さんがスノーボードをしていた影響で、息子は4歳で競技を始めた。 しかし、「やりたい」と言ってきた息子に、簡単にやらせることはしなかった。飽きてすぐにやめてしまえば、 意味がないから。鋼の意志ではじめた息子につきっきりで指導し、技を磨いた。 父は厳しさで愛情を示してきた分、今回の騒動に心が痛む。 「迷惑をかけました。本人に代わって謝りたいです。今後については本人としっかり話し合いたいと思います」。 母・由香里さん(44)も、ひたすら頭を下げた。非難され、目標だったメダルも逃した息子を本当の意味で 助けられるのは、家族のみ。約10人の親族応援団の帰路につく足取りはあまりに重かった。 ★1の時刻 2010/02/19(金) 10:41:40
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